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【BigTreeメンバーインタビュー】多胎ファミリー支援に取り組む中村由美子さん

さが妊娠・子育て応援プロジェクト、通称『BigTree』に参加するメンバーに活動に取り組む想いを語っていただきました

さが多胎ネット、グリンピースの活動を通じて長年、佐賀の多胎ファミリー支援に取り組んでいる中村由美子さん

双子育児で得た学びから多胎家族支援の道を貫く

佐賀女子短期大学で非常勤講師として勤めて12年になります。子育て支援や保育の授業をしていますが、そのきっかけとなったのは、子育てサークルの活動です。

双子の出産、育児ノイローゼ…そして転機が訪れる

私は30年前に男女の双子を出産し、その後次女を出産。保育者だったので、理想の母親像があって余計に頑張りすぎて。育児ノイローゼといわれるような時期もありました。自信喪失、自己嫌悪でボロボロだったある日、子ども二人がにこーっと笑ったその表情が目に飛び込んで涙が止まらず「こんな私でもこの子たちにとっては母親なんだ」子どもたちの方がずっとえらいと思いました。そして「この子たちが私をお母さんにしてくれる」と。肩の力が抜けて、愛おしい気持ちがぐーっと込み上げ、二人を抱きしめました。それが私の一番の転機です。家族のサポートも受け、いろんな人に助けてもらえる自分でいようと思いました。

自主サークル「グリンピース」の誕生

双子育児経験のある先輩ママにも助けられました。スーパーで買い物中に子どもたちを見て「懐かしい」と声をかけられたのを機に私はその方の腕を握って「いつ楽になりますか?」と。1時間ほど話してくれて、励まされてとても楽になったんです。それが、双子・三つ子サークルの「グリンピース」の発足に携わるきっかけになりました。

「若楠にこにこ子育てサークル」を立ち上げ活動していた時、佐賀市の多胎児支援の広場事業でボランティアをすることに。「広場にいれば双子がきっと集まる、次のママたちを励ましてあげられる!」と。それから3年後、立ち上がったのが自主サークル「グリンピース」です。

双子の母親の苦労は妊娠期から切れ目なく続きます

双子の育児で苦労するのは、二人がそれぞれ泣き出す時など、なかなか眠れない、授乳に時間がかかること。また、未熟児で産まれるというケースがほとんどなので、育てにくいという大変さと、あとは外出もしづらいので、引きこもりがちになるんです。

また、双子の母親は妊娠期からのリスクも高いんですね。一般的に安定期がないといわれる妊娠期を過ごして、管理入院で筋力が落ちて、その上出産後は小さな2人の赤ちゃん育児が始まるので、クタクタになります。妊娠期にリスクが少なかった私にも辛い時期はありましたが、グリンピースの集まりでは育児にもっと大変な思いをしている人がいたことが驚きでした。

どんどん活動の幅が広がって、チームとして育ってきています

「若楠にこにこ子育てサークル」に「グリンピース」。活動の幅はさらに広がって、佐賀女子短期大学に「子育てコミュニティカレッジ」という子育て支援者の養成などを行う事業のスタッフとして勤めました。

恩師の吉牟田美代子先生と一緒に仕事をしたことは、私にとって学び直しの6年でした。このときの経験が今の私の力になっています。

非常勤講師として働くようになって、この頃からいろいろなところで「ママの元気が出る子育て講座」を依頼されるようになり、子育てサークル仲間に講座参加者の託児を依頼することも。回を重ねるごとにみんなの力がついて、目配り、気配りが自然にできる素敵な育児をしてくれます。講座と託児のチームの連携ができているんです。ママたちも社会貢献できて多少なりとも収益を得られる実例になればいいと思っています。